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「笑顔」を求めて「隅鬼(すみおに)」になりたい石井一視副校長

◆あいにくの雨、せっかくの家族旅行なのに・・・五高へ異動が決まった4年前の2月の事である。

祇園の宿から、「ねねの道」を歩き高台寺に、そして三年坂から二年坂、そして清水寺に到着。山門の御手洗場、娘が手を洗ってからというので、やけに柄の長い柄杓を持つ。雨に濡れぬように荷物を落とさぬように、何もかも一度にやろうとすればするほど、柄杓の水をかけたくても上手くいかない。その時気がついた。汲んだ水を自分の手にかけようとするから窮屈なのだ。隣の娘の手にかけてあげれば良いのだと。「ありがとう」の言葉の後、娘が笑顔で私の手に水をかけ流してくれた。

◆清水寺の胎内めぐり、胎内は何も見えない暗闇。闇の恐怖に、手にした命綱を握る手に力がこもる。闇を受け入れて綱一本に身を委ねた途端に、恐怖が薄らいだ。そして何かを悟ったように目を閉じた。すると不思議に落ち着きまでも戻ってくる。

上の文は、単身赴任という未知の世界に立ち向かう不安と恐怖で一杯の私を、気遣ってくれた家族が、計画してくれた京都旅行でのひとコマである。今考えてみると、此処で感じたことが、心が折れそうになった度に、私の羅針盤となって心を支えてくれたような気がする。

教員に笑顔が無ければ生徒に笑顔があるはずがない。生徒に笑顔が無ければ保護者にも笑顔があるはずがない。誰も自分が必要とされていると思えるから、そして自分がそこにいる存在感を感じる事が出来るから、私たちは、苦しさにも難題にも辛さにも押しつぶされそうになりながらも頑張る事ができ、やがて楽しさと充実感に変えられるのだと私は信じています。それ故、五高でも翔洋でも周囲人々の笑顔を創りだすことが任務と心がけ日々過ごしてきました。

私自身も充実感を味わう楽しさを感じるためには、まず相手に、充実感を味あわせる協力をしてこそ、私も味わうことができるのだと思い、できる事を精一杯行動すると、五高でも翔洋でも周囲の人たちに救われました。

それなのに、はたして浦安でまた受け入れてもらえるのだろうかと、情けなくも思い悩んでいるのです。でもどこからか「大丈夫だよ、先生。先生は先生らしく・・・ただそれだけ大丈夫だから。」という生徒たちの声が聞こえてくるのです。

だから私は、荘厳な「唐招提寺」のとてつもなく重い甍を、外観からは見えない軒下から、首が肩にめり込みそうになりながらも、それでいて決して目立たず、けれども決して卑下することなく、じっと黙って一生懸命だけど悲壮感はなく、また当たり前に無理することなく、プライドを持って正座し支える4体の「隅鬼」のように、周囲を支え続けることに徹しようと思います。

私は、生徒達を「人」ではなく「ひと」と「ひと」との「あいだ」に入って、傷ついたり・苦しんだり・喜んだり・感動したりして「ひと」から「にんげん」に変化する「人間」として接していきたいと思うのです。だから生徒が充実した生活を送ってもらうためにも、先生方に自然な笑顔がこぼれる職場にしたいと思っています。

私のできる事は小さいですが、此処までで経験したことを戻ってきた浦安の地で、またやり抜きたいと思っています。

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